[…………]   :

[…………] キャップ : 「スミちゃんならなんだかんだ一人でも平気だろ……葛城ィ〜何処だ〜」

[…………] キャップ : そう言いながらも、彼は街の外れへと進む

[…………] キャップ : 彼が、目のつかない街の外れ、車も走らない道路のど真ん中に足を運ぶと

[…………] キャップ : そこにリニア・ライフルが三発連続で撃ち込まれる

[…………]    : 月夜に影が疾る

[…………] ??? : 爆風が巻き起こったその場に、鋼鉄の脚が叩きつけられ、瓦礫はさらに舞う

[…………] キャップ : 「……君、何者?」

[…………] :

[…………]   :

[…………] キャップ : 「そんでさ、君誰なのよ」

[…………] ??? : 「これから始末する相手に名乗る必要はあるか」

[…………] キャップ : 「少なくとも僕はあると思うね」

[…………] ??? : 「では、名乗ろう」

[…………] ノワール : 「ノワール、オルクス・ノワール。私の名だ」

[…………] キャップ : 「オルクス・ノワール?」

[…………] キャップ : (この形状、アーマード・コア型のモバイル・スーツか)

[…………] キャップ : (フレーム設計はナインボールに酷似しているようだが……)

[…………] キャップ : 「なんだっていいけどさ、この近くの温泉街には僕の弟から預かった娘……まあ要するに姪?そうmayちゃんが居るからそこにドカンとかやるのはよしなよ」

[…………] ノワール : 「無論だ。そのような恥知らずはしないさ」

[…………] キャップ : 「じゃあ狙いは僕ってわけだ」

[…………] ノワール : 「その通りだ」
手に持ったリニア・ライフルを向けて

[…………] キャップ : 何処からか取り出した帽子を被って、気合を入れる
「じゃ、いいや 存分にやろう」

[…………] ノワール : 急速に接近して、レーザー・ブレードをそれに向かって振るう

[…………] キャップ : 「っと」
それを飛び上がって避け、上空に浮き上がる

[…………] キャップ : そしてそれを踏みつけるように

[…………] キャップ : 「『落雷蹴』」

[…………] キャップ : その頭部を激しく蹴りつける

[…………] ノワール : 「……っ」

[…………] キャップ : (感覚が重い。アーマード・コア型の装甲の硬さじゃないぞ)

[…………] キャップ : キキ、とシューズの音を鳴らしながら着地し

[…………] キャップ : 「『掃脚』ッ!」
大きくかがみ込んで脚を突き出す

[…………] ノワール : 頭部に続いて脚部に蹴りを受けたそれは大きく体制を崩し

[…………] キャップ : 「『突破蹴』!!!」

[…………] キャップ : 突き出した蹴り倒し、所謂ヤクザキックで大きく吹き飛ばす

[…………] キャップ : 「手応えが違うな。叩き壊した感触がしない」

[…………] ノワール : 「叩き壊していないからな」

[…………] キャップ : 「装甲が厚いな」

[…………] ノワール : リニア・ライフルを相手に対して構えた次の瞬間

[…………] キャップ : 彼は何処からか光の剣を取り出す

[…………] キャップ : 「『ブレイズエンド』」

[…………] キャップ : 彼が投げ飛ばしたその光剣は激しく炎を放ち、縦に回転し漆黒のモバイル・スーツに襲いかかる

[…………] ノワール : 「っ」
それを飛び越して宙に飛び上がり、レーザーブレードを構える

[…………] キャップ : 戻って来た剣を掴み、呟く

[…………] キャップ : 「『八刀一閃』」

[…………] : 瞬間、二人の剣戟が響く

[…………] キャップ : 「なるほど、そこそこだな」

[…………] ノワール : 「そこそことは見くびられたものだな」

[…………] キャップ : 「そこそこだろ
 だって今んところ弱いもんお前」

[…………] ノワール : 「……後悔するぞ」
limiter cut

[…………] キャップ : 「……(リミッター解除……これ手抜きできる相手じゃないな)」

[…………] キャップ : 「しゃーないな」

[…………] キャップ : 「モーフィング」

[…………] キャップ : その身体が、変形する

[…………] ……… : “義体変形”

[…………] ……… :

[…………] ……… : ハーフ・ガンダム!

[…………] ハーフガンダム :

[…………] ノワール : 「……それが」

[…………] ノワール : 「モバイルスーツ……?何処に隠していた……?」

[…………] ハーフガンダム : 「隠してたって言うか僕そのものってか……」

[…………] ハーフガンダム : 「とにかく誰か来る前にボコるわ」

[…………] ハーフガンダム : 背中から、光剣を引き抜く

[…………] ノワール : それを見て腕に光剣を展開した瞬間

[…………]   : 景色が、揺れる

[…………] ノワール : 瞬間、かの相手が放った蹴りが腹に突き刺さっていることに気づき

[…………] ハーフガンダム : 同時に互いに宙に放り出されていることにも気付く

[…………] ノワール : 咄嗟にリニア・ライフルを構えるが

[…………] ハーフガンダム : それを、撃ち抜く

[…………] ノワール : 「っ」

[…………] ハーフガンダム : 「どうよ……ッ?」

[…………] ノワール : それに意識を向けての左腕のブレードによる斬撃

[…………] ハーフガンダム : 「ちいッ」
が、それを腕を抑える事で封じる

[…………] ハーフガンダム : 「っと」
そのまま脇腹に蹴りを入れ、吹き飛ばす
岩肌を貫通し大きく砂埃を上げる

[…………] ノワール : 「AP80%減少……」
吹き飛ばされながらもブースターをふかし、闇夜へ浮き上がる

[…………] ノワール : 「前言は撤回だ」
ジャコン、と肩のキャノンを構える

[…………] ノワール : ……“街に向けて”。

[…………] ハーフガンダム : 「……っ、アイツッ!!!」

[…………] ハーフガンダム : 急速に加速して、それに回り込む

[…………] ノワール : 「やはり、そう来たか」

[…………] ノワール : 自ら射線に割り込んできたそれに、グレネード・ランチャーを、連続で撃ち放つ

[…………] : 大きく爆風が立ち上る

[…………] ノワール : 「……?」
違和感に気付いた時にはもう遅い。
その爆風の中にあるのは盾だけで、

[…………] ハーフガンダム : 「ふう」
既に、斬撃は放たれた後だった

[…………] キャップ : 変身を解く。騒ぎ自体は随分と大きくしてしまった。

[…………] キャップ : 少し咳き込んで、街の方向へ再び歩を進める。
「今度こそ葛城と合流しねえと
 にしても……こいつは一体……」

[…………] キャップ : 「……そういやスミちゃん雑に放置して来たけど今になって不安になって来たな……まあアイツなら……」
「僕も温泉旅行楽しみゃいいや」

[…………] キャップ :